茨城県で自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、手数料は申請1件につき3,900円です。窓口は法務局(遺言書保管所)ですが、住んでいる市町村によって申請先が変わり、たとえば取手市・守谷市・牛久市・つくばみらい市にお住まいの方は「水戸地方法務局 龍ケ崎支局」、つくば市・土浦市の方は「土浦支局」、水戸市の方は「本局」が窓口になります。この記事では茨城県内の窓口一覧・手数料・必要書類・申請の流れをまとめます(2026年9月時点の情報。最新の制度は法務省・法務局の公式サイトでご確認ください)。

自筆証書遺言書保管制度とは

自筆証書遺言書保管制度は、自分で手書きした遺言書(自筆証書遺言)を法務局が原本のまま預かってくれる制度です。2020年7月からスタートしました。自宅で保管する自筆証書遺言には「紛失する」「相続人に見つけてもらえない」「形式の不備で無効になる」「誰かに書き換えられる」といった心配がありますが、法務局に預けることでこれらのリスクを減らせます。

もっとも大きなメリットは、相続が始まったときに家庭裁判所での「検認」という手続きが不要になることです。自宅で保管していた自筆証書遺言は、相続人が家庭裁判所に申し立てて中身を確認してもらう検認の手続きが必要ですが、法務局に保管された遺言書はこの手続きを省略できます。

なお、この制度はあくまで「原本を法務局が預かる」ものであり、遺言書の内容そのものを法務局が審査してくれるわけではありません。書き方に不安がある場合は、行政書士や司法書士に相談したうえで作成することをおすすめします。

茨城県内の遺言書保管所・管轄一覧

遺言書保管の申請ができる窓口(遺言書保管所)は、通常の不動産登記の窓口(出張所)とは管轄が異なります。茨城県内では、水戸地方法務局の本局と6つの支局が遺言書保管所になっており、出張所では扱っていません。たとえば取手市・守谷市は「取手出張所」が不動産登記の窓口ですが、遺言書保管の申請先は取手出張所ではなく龍ケ崎支局になる点に注意してください。

お住まいの市町村遺言書保管所(窓口)所在地電話番号
水戸市・笠間市・ひたちなか市・那珂市・東茨城郡・那珂郡水戸地方法務局 本局水戸市北見町1-1029-227-9917(供託課)
日立市・高萩市・北茨城市日立支局日立市各法務局サイトでご確認ください
土浦市・石岡市・つくば市・かすみがうら市・小美玉市・美浦村・阿見町土浦支局土浦市下高津1-12-9029-821-0792
龍ケ崎市・取手市・牛久市・守谷市・稲敷市・つくばみらい市・河内町・北相馬郡龍ケ崎支局龍ケ崎市2985番地0297-62-0225
古河市・結城市・下妻市・常総市・筑西市・坂東市・桜川市・結城郡・猿島郡下妻支局下妻市各法務局サイトでご確認ください
常陸太田市・常陸大宮市・久慈郡常陸太田支局常陸太田市各法務局サイトでご確認ください
鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市鹿嶋支局鹿嶋市各法務局サイトでご確認ください

※2026年9月時点。法務省「遺言書保管所管轄一覧」をもとに作成しています。管轄は変更される場合があるため、申請前に必ず法務局公式サイトでご確認ください。取手市・守谷市の相続登記の窓口(取手出張所)についての詳細はこちらの記事で解説しています。

手数料一覧

手数料は手続きの種類ごとに決まっており、収入印紙で納めます。

手続き手数料請求できる人
遺言書の保管の申請1件につき3,900円遺言者本人
遺言書の閲覧(モニター)1回につき1,400円遺言者・相続人など
遺言書の閲覧(原本)1回につき1,700円遺言者・相続人など
遺言書情報証明書の交付1通につき1,400円相続人など
遺言書保管事実証明書の交付1通につき800円相続人など
申請の撤回・変更の届出無料遺言者本人

遺言者が亡くなったあと、相続人が「遺言書情報証明書」を取得することで、預金の解約や不動産の相続登記などの相続手続きに使えます。

申請の流れと必要書類

申請の大まかな流れは次のとおりです。

  1. 自筆証書遺言を法務省が定める様式で作成する(用紙のサイズ・余白などにルールがあります)
  2. 保管申請書を作成する(法務局窓口や法務局ホームページで様式を入手できます)
  3. 本籍の記載がある住民票(発行から3か月以内)を用意する
  4. 運転免許証・マイナンバーカードなど、顔写真付きの本人確認書類を用意する
  5. 法務局手続案内予約サービス(インターネットで24時間予約可)または電話で、管轄の遺言書保管所に予約を入れる
  6. 予約日に遺言者本人が窓口へ行き、申請書・遺言書・添付書類・手数料(収入印紙)を提出する

申請は必ず遺言者本人が窓口に出向く必要があり、代理人による申請はできません。体調面などで窓口に行くこと自体が難しい場合は、この制度の利用が難しいため、公正証書遺言など別の方法を検討することになります。

また、遺言書保管所での手続きはすべて予約制です。当日ふらっと窓口へ行っても対応してもらえないため、事前の予約を忘れないようにしてください。

自宅保管・公正証書遺言との違い

自筆証書遺言(保管制度あり)自筆証書遺言(自宅保管)公正証書遺言
作成費用手数料3,900円のみほぼ無料財産額に応じて数万円〜十数万円
紛失・改ざんのリスク低い(法務局が原本保管)高い低い(公証役場に原本あり)
家庭裁判所の検認不要必要不要
内容の有効性チェック形式面のみ(内容は審査されない)なし公証人が関与するため確実性が高い
証人不要不要2名必要

保管制度は「費用を抑えつつ、紛失や検認の手間を減らしたい」という方に向いています。一方、財産の内容が複雑だったり、相続でもめる可能性が高いと感じる場合は、公証人が内容にも関与する公正証書遺言のほうが安心とされています。どちらが向いているかは個別の事情によるため、迷う場合は司法書士や行政書士、弁護士に相談することをおすすめします。

生前整理と合わせて考えたいこと

遺言書は「誰に何を残すか」を決める書類ですが、その前提として「自分が何を持っているか」を把握しておくとスムーズです。財産目録(預金・不動産・保険・貴重品などの一覧)を作りながら、実家の中で残すもの・処分するものを整理していく生前整理と合わせて進めると、遺言書の内容も具体的にしやすくなります。生前整理の進め方はこちらの記事でまとめています。

相続に関する無料相談窓口はこちらの記事で市町村別に紹介しています。遺言書の内容や書き方に迷う場合は、まずこうした窓口で専門家に相談してみるのも一つの方法です。

まとめ

茨城県内で自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、手数料は3,900円、窓口は住んでいる市町村によって龍ケ崎支局・土浦支局・本局などに分かれます。取手市・守谷市・牛久市・つくばみらい市の方は龍ケ崎支局、つくば市・土浦市の方は土浦支局が窓口になる点は特に間違えやすいので注意してください。申請はすべて予約制、遺言者本人が窓口に行く必要がある点もあわせて覚えておくとスムーズです。

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