親から相続した実家が空き家のまま……という方は少なくありません。結論から言うと、相続した空き家を売却するときに一番大きいのは「相続空き家の3,000万円特別控除」という税の特例です。条件に当てはまれば、譲渡所得(売却で出た利益)から最大3,000万円を差し引いて税金を計算できます。ただし、建物の築年数や売却までの期限など、細かい要件があり、相続開始から3年を経過する年の12月31日までという期限を過ぎると使えなくなります。この記事では、売却の流れ、税金の考え方、控除の要件、茨城県内(取手市・守谷市・つくば市)で使える制度を、遺品整理の実務もあわせてご案内する「片づけDo!」が分かりやすく整理します。

なお、実家をどうするか(売却・解体・活用)の判断基準そのものについては、遺品整理の後、実家はどうする?売却・解体・活用の判断基準で詳しく解説しています。この記事は「売却する」と決めた後の、具体的な流れと税金にしぼってお伝えします。

相続した空き家を売却するまでの6つのステップ

相続した実家を売るまでには、遺品整理から引き渡しまで、おおむね次の順番で進みます。急いで一つ飛ばしてしまうと後でトラブルになりやすいので、順番通りに進めることをおすすめします。

  1. 遺産分割協議(相続人全員でこの家をどうするか話し合い、書面に残す)
  2. 相続登記(法務局で名義を故人から相続人へ変更する)
  3. 遺品整理・残置物の撤去(家財を片付け、空の状態にする)
  4. 不動産会社への査定・媒介契約(売却価格の見立てと販売活動の依頼)
  5. 売買契約・引き渡し(買主が見つかり次第、契約と決済)
  6. 確定申告(売却の翌年2〜3月に、譲渡所得の申告と特例の適用手続き)

このうち③の遺品整理は、家財が残ったままでは査定も内覧もスムーズに進まないため、早い段階で済ませておくのが実務上のコツです。遺品整理の具体的な進め方は遺品整理サービスのご案内を、費用の目安は遺品整理の料金表をご覧ください。

相続登記は義務化されている点に注意

2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。この義務化は2024年4月1日より前に発生した相続にも遡って適用され、その場合の期限は2027年3月31日です。売却するにはそもそも名義を相続人に変更しておく必要があるため、「そのうち」と先延ばしにせず、早めに法務局や司法書士に相談することをおすすめします。

譲渡所得税の基本の考え方

不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税・住民税がかかります。計算の基本は次の式です。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

「取得費」は故人がその家を買ったときの価格(古い家で購入時の資料が残っていない場合は、売却価格の5%を取得費とみなす概算法もあります)、「譲渡費用」は仲介手数料や解体費用など売却のためにかかった費用です。ここから、要件を満たせば最大3,000万円の特別控除を差し引けるため、控除が使えるかどうかで税額が大きく変わります。

相続空き家の3,000万円特別控除、適用の要件

国税庁の定める要件(No.3306)を、実際によくある確認ポイントに絞って整理すると、次のとおりです。

確認項目要件の内容
建物の築年数昭和56年5月31日以前に建築されたこと
建物の構造区分所有建物(マンション等)の登記がされていないこと
居住状況相続開始の直前、故人がひとりで住んでいたこと(老人ホーム入所等は一定要件で対象)
売却までの使用状況相続から売却まで、事業・貸付け・居住のいずれにも使っていないこと
建物の状態売却時に耐震基準を満たしているか、更地にしてから売却すること
売却期限相続開始があった日から3年を経過する年の12月31日まで(かつ制度自体の期限である令和9年=2027年12月31日まで)
売却価格1億円以下であること
売却先親子・夫婦など特別な関係にある人への売却でないこと

控除額は最大3,000万円ですが、2024年1月1日以後の譲渡で、この家を相続した相続人が3人以上いる場合は、ひとり当たりの控除額が2,000万円までとなる点も押さえておきましょう。この特例の適用を受けるには確定申告が必要で、「被相続人居住用家屋等確認書」など、売却する不動産の所在地の市区町村から交付を受ける書類の準備も必要です。要件の当てはめは個々の事情によって判断が分かれるため、実際に申告する際は税務署や税理士に確認することを強くおすすめします。

「更地にしてから売る」と「古家付きのまま売る」、どちらが有利か

3,000万円特別控除は、①耐震基準を満たしたまま家屋ごと売る、②家屋を取り壊して更地で売る、のどちらでも対象になります(2024年以降は、売却後に耐震改修や取り壊しをした場合も、翌年2月15日までに完了すれば対象になるよう拡充されました)。とはいえ、昭和56年以前の建物は耐震基準を満たしていないことが多く、実務上は解体して更地で売るケースが大半です。解体費用は建物の構造や広さで大きく変わるため、あわせて解体工事の料金の目安もご確認ください。片づけDo!は、グループ内で解体工事専門店(解体Do!)を運営しているため、遺品整理から解体、売却の相談まで窓口を分けずにご相談いただけます。

茨城県内で使える空き家関連の制度

取手市・守谷市・つくば市には、それぞれ空き家に関する独自の制度があります。売却前に確認しておくと、費用を抑えられる場合があります。

  • 取手市:都市計画課が「空家等利活用の媒介制度」を実施しているほか、解体費用や解体後の土地売却価格の概算が分かる「取手市版解体費用シミュレーター」「取手市版すまいの終活ナビ」を無料で提供しています(クラッソーネと協定)。
  • 守谷市:都市計画課で「空家バンク」を運営しており、市に空き家を登録することで、購入・賃貸希望者に情報提供してもらえます(契約や交渉自体は当事者間で行う点に注意)。
  • つくば市:「つくば市空家活用補助金」があり、空家バンク登録物件を対象に、改修費用や家財処分費用の一部を補助しています(2026年度は4月1日〜12月28日が申請期間、家財処分費補助は着手14日前かつバンク登録から1年以内の申請が条件)。

制度の詳細や最新の申請条件は年度によって変わるため、利用を検討する場合は各市の窓口で最新情報を確認してください。対応エリアの詳細は対応エリア一覧もあわせてご覧いただけます。

遺品整理から不動産売却まで、まとめて相談できる窓口

相続した空き家は、遺品整理・解体・売却と、関わる業者が別々になりがちで、そのたびに事情を説明し直すのは大きな負担です。片づけDo!では、遺品整理はもちろん、グループ内の不動産事業(ハウスドゥ)を通じて不動産の買取・売却のご相談もあわせて承っています。「まず家の中を片付けてから、売るかどうか考えたい」という段階でもかまいません。進め方の全体像はサービスの流れ、よくある疑問はよくあるご質問にまとめています。

相続した空き家の扱いに迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。お電話(0120-306-122/8:00〜21:00・年中無休)でも、下記フォームからのお問い合わせでも承っております。

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