「実家が空き家のままだけど、解体費用が高くて手が出せない」——そう感じている方は少なくありません。結論から言うと、茨城県内で空き家の解体そのものに補助金が出る市町村は限られています。2026年9月時点で確認できた範囲では、龍ケ崎市が老朽空家等解体費等補助金として補助対象経費の2分の1(上限50万円)を交付している一方、取手市・守谷市・つくば市・水戸市などは解体そのものへの直接補助はなく、代わりに解体費用シミュレーターや空き家活用(改修・家財処分)の補助金を用意しています。

この記事では、茨城県内の主要市の「空き家解体」に関わる補助金・支援制度を市町村別に整理し、申請の流れや注意点をわかりやすく解説します。制度は年度ごとに見直されるため、本文の情報は2026年9月時点のものです。実際に申請される際は、必ず各市の担当窓口に最新情報をご確認ください。

結論:解体そのものに補助金が出るのは限られた市町村だけ

「空き家 解体 補助金」と検索すると、あたかも茨城県内のどの市町村でも解体費用が補助されるかのような情報を目にすることがありますが、実際に確認すると解体工事そのものに補助金を出している市はごく一部です。多くの市は「空き家バンクに登録した物件の改修費・家財処分費」や「危険なブロック塀の撤去」など、解体とは異なる範囲を補助対象としています。

読者の皆様が知りたいのはおそらく「実家(親名義の家)を解体するときにお金の補助を受けられるか」だと思いますので、まずは主要市の状況を一覧で確認し、それぞれの制度の詳細を見ていきましょう。

茨城県内の空き家解体・活用に関する補助金一覧(2026年9月確認)

市町村解体そのものへの補助関連する支援制度窓口・電話番号
龍ケ崎市あり(上限50万円)老朽空家等解体費等補助金まちの魅力創造課 0297-64-1111
取手市直接の補助制度なし解体費用シミュレーター(クラッソーネ提携)、空家等利活用の媒介制度安全安心対策課 0297-74-2141
つくば市直接の補助制度なし空家活用補助金(改修工事費上限50万円・家財処分費上限10万円、空家バンク登録が条件)住宅政策課 029-883-1111
守谷市直接の補助制度なし住宅リフォーム資金補助金は現在休止中(要確認)都市計画課 0297-45-1111
水戸市直接の補助制度なし危険ブロック塀等撤去補助金(解体とは別制度、上限20万円)市民生活課ほか 029-232-9111
牛久市直接の補助制度なし空き家等無料相談会、空き家見守りサービス空家対策課(代表)029-873-2111

※本表は2026年9月時点で各市公式サイトを確認して作成しています。予算の上限に達すると年度途中でも受付終了となる制度が多いため、解体を具体的に検討される際は、必ず該当市の窓口に電話でご確認ください。裏付けが取れなかった市町村(土浦市・ひたちなか市・古河市など)は本表から外しています。

龍ケ崎市|老朽空家等解体費等補助金の内容と条件

龍ケ崎市は茨城県内でも珍しく、空き家の解体工事そのものに補助金を出している市です。老朽化等により周辺の生活環境に著しく有害となっている空き家(法律上の「特定空家等」に認定されたもの、または市から適正管理を求められて実際に対応した実績があるもの)が対象で、解体工事・仮設工事・廃材の運搬処分・整地にかかった費用の2分の1(上限50万円)が補助されます。

  • 対象者:空き家の所有者・相続人(個人のみ、法人は対象外)で市税等の滞納がない方
  • 対象となる空き家:特定空家等に認定されている、または市の是正指導に応じた実績がある空き家
  • 補助金額:補助対象経費の合計額の2分の1(上限50万円)
  • 注意点:工事着手前に交付申請が必要。申請前に着工すると補助を受けられません

「特定空家等」に認定されるには、市から管理不全の指摘を受けて指導・勧告の手前の段階にあることが前提になるため、誰でもすぐに使える制度ではありません。ただし、実家が長年放置されて傷みが進んでいる場合は、まず市の窓口(まちの魅力創造課)に相談し、自分の家が対象になり得るか確認することをおすすめします。龍ケ崎市の遺品整理・実家じまいの費用相場は「龍ケ崎市の遺品整理」のページでも紹介しています。

取手市|直接の解体補助はないが、費用シミュレーターと売却支援がある

取手市には2026年9月時点で空き家解体そのものへの補助金制度はありません。その代わり、令和6年4月に市が株式会社クラッソーネと協定を結び、「取手市版解体費用シミュレーター」と「取手市版すまいの終活ナビ」という無料サービスを提供しています。土地建物の面積や最寄り駅などの条件を入力すると、解体費用のおおよその概算額や、解体後に土地を売却した場合の想定価格までわかる仕組みです。

また、「空き家をどこに相談すればいいかわからない」という声に対応するため、都市計画課が空家等利活用の媒介制度を設けています。解体して更地にするか、そのまま売却するかで迷っている段階でも、まずは相談してみる価値があります。クラッソーネの空き家相談窓口(0120-304-395、平日9時〜18時)でも解体工事や不動産売却の相談を受け付けています。

なお、取手市では相続登記の義務化(令和6年4月1日開始、相続を知った日から3年以内)に加え、令和8年4月からは登記簿上の住所・氏名の変更登記も2年以内に行うことが義務化されます。実家の名義が亡くなった親のままになっている場合は、解体や売却を検討する前に、この点も確認しておく必要があります。

つくば市|解体の補助はないが、空き家バンク経由の改修・家財処分補助がある

つくば市にも解体工事そのものへの補助金はありませんが、「つくば市空家活用補助金」として、空き家バンクに登録した物件を対象に次の2種類の補助を行っています(申請期間:令和8年4月1日〜12月28日、予算上限に達し次第終了)。

補助金の種類対象者補助金額
改修工事費補助金空き家バンク登録物件の購入者改修工事費の50%(上限50万円)
家財処分費補助金空き家バンク登録物件の所有者(売却者)家財処分費の50%(上限10万円)

この制度を使うには、まず「つくば市空家バンク」への物件登録が必須です。つまり解体して更地にする前提ではなく、家を活かして売る・貸すことを前提にした制度です。実家を解体せずに活用する道を検討したい方には選択肢になりますが、老朽化が激しく活用が難しい場合はこの制度の対象外になる可能性が高い点にご注意ください。問い合わせ先は住宅政策課(029-883-1111)です。

守谷市・水戸市・牛久市の状況

守谷市には過去に住宅リフォーム資金補助金(上限10万円)がありましたが、2026年9月時点では新規受付が停止されています。空き家の耐震改修やバリアフリー・省エネ改修を行った場合に固定資産税が一定期間減額される制度はあるものの、解体そのものへの補助金は確認できませんでした。最新の募集状況は都市計画課(0297-45-1111)へ確認が必要です。

水戸市では、住宅の除却(解体)に対する補助金は設けられていません。関連する制度としては「危険ブロック塀等撤去補助金」があり、地震で倒壊のおそれがあるブロック塀の撤去費用の3分の2(上限20万円)が補助されますが、これは建物本体の解体とは別の制度です。

牛久市にも解体そのものへの補助金は確認できませんでしたが、空家対策課が空き家等無料相談会や空き家見守りサービスを実施しています。解体の前に「そもそもどうすればいいかわからない」という段階であれば、まずこうした無料相談を利用するのも一つの方法です。

補助金がない市町村では、どう費用を抑えればいいか

お住まいの市に解体補助金がない場合でも、費用を抑える方法はいくつかあります。

  • 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除を使う:被相続人が住んでいた家屋とその敷地を相続した場合、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに家屋(または解体後の土地)を売却すると、譲渡所得から最大3,000万円が控除される制度です。制度の要件は細かく定められているため、税理士や税務署への確認が必要です
  • 解体と家財整理をまとめて依頼する:遺品整理・家財の搬出と解体工事を別々の業者に依頼すると、現地調査や搬入経路の確認などが二重になり、結果的に割高になりがちです。ひとつの窓口でまとめて相談すると、全体の費用感がつかみやすくなります
  • 複数社から見積もりを取る:解体費用は建物の構造・立地・道路幅などで大きく変わります。取手市のように無料の費用シミュレーターを用意している市もあるため、まずは概算を把握してから業者に相談するとよいでしょう

私たち片づけDo!は、遺品整理・家財の片付けを専門に行う会社ですが、グループ内で解体工事専門店「解体Do!」も運営しています。実家の解体を含めてご相談いただければ、家の中の片付けから解体までの流れを、窓口をひとつにしてご案内できます。解体費用は建物の状況によって大きく変わるため、「〜万円が目安」といった概算は現地を拝見したうえでお伝えしています。

解体前に確認しておきたい3つのこと

補助金の有無を確認したら、次に解体そのものを進める前に押さえておきたいポイントを整理します。

1. 相続放棄を考えている場合は、解体前に必ず確認する

相続放棄を検討している場合、故人名義の家の解体費用を相続人が支払ってしまうと、「相続財産を処分した」とみなされ、単純承認が成立して相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法上の法定単純承認)。負債が資産を上回りそうな場合は、解体や補助金の申請を進める前に、必ず弁護士や司法書士に相談してください。この点は個別の事情によって判断が分かれるため、専門家への確認が欠かせません。

2. 相続登記が済んでいるか確認する

2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記申請をしないと過料の対象になる場合があります。解体や補助金申請には登記事項証明書の提出を求められることが多いため、名義が故人のままになっていないか早めに確認しておきましょう。

3. 家財・遺品の片付けは解体前に終わらせておく

解体業者は建物の取り壊しが専門で、仏壇・写真・思い出の品など、ご遺族が「残したいもの」を選び分ける作業までは対応できません。解体前に遺品整理を済ませておくことで、大切な形見を取り違えて処分してしまう心配がなくなります。

まとめ

茨城県内で空き家の解体そのものに補助金が出るのは、2026年9月時点で確認できた範囲では龍ケ崎市(上限50万円)にとどまります。取手市やつくば市は解体費用シミュレーターや空き家活用(改修・家財処分)の補助金を用意していますが、解体工事への直接補助ではありません。お住まいの市に制度がない場合も、3,000万円特別控除の活用や複数社への見積もり依頼で費用を抑えられる余地があります。

実家じまいの進め方について詳しく知りたい方は、「実家じまいとは?費用・手順・期間をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。空き家バンクの活用方法は「茨城県の空き家バンク一覧」で市町村別に解説しています。

片づけDo!では、遺品整理から解体まで、実家じまいに関わるご相談をまとめてお受けしています。「まず何から手をつけたらいいかわからない」という段階でもかまいません。お電話(0120-306-122)または無料見積もりフォームから、お気軽にご相談ください。

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