親御さまを亡くされ、気持ちの整理もつかないうちに「遺品整理は何から始めればいいのか」と途方に暮れていらっしゃる方は少なくありません。家の中を見渡せば物であふれ、一方で役所からは書類が届き、親族からは「早く片付けないと」と言われる。何から手をつけたらいいか分からない——その段階で、けっこうです。

この記事では、親が亡くなった後にやるべき手続きを期限の早い順に整理し、そのうえで遺品整理をどのタイミングで、どんな順番で進めればよいのかをご説明します。読み終えるころには、明日から何をすればよいかがはっきりしているはずです。

結論:遺品整理は「手続きを先に、片付けは後」で問題ありません

遺品整理は何から始めるべきか。結論から申し上げると、まず役所や年金の手続きを済ませ、遺品整理そのものは四十九日を過ぎたころから取りかかる——この順番でまず問題ありません。

理由は二つあります。一つは、死亡届や年金の停止など数日〜2週間で期限が来る手続きがあること。もう一つは、遺品の中には預金通帳・保険証券・不動産の権利証など、後の相続手続きで必要になる書類が紛れていることが多く、相続の方針が決まる前に処分してしまうと取り返しがつかないためです。

ただし、賃貸住宅にお住まいだった場合は退去期限がありますので、この限りではありません。その場合は手続きと並行して片付けを進める必要があります。

親が亡くなった後の手続き一覧|期限の早い順

まずは全体像です。ご自身に関係のあるものだけを拾い読みしてください。

期限やること届出先
7日以内死亡届・火葬許可申請市区町村の役所
10日以内厚生年金の受給停止(年金受給権者死亡届)年金事務所
14日以内国民年金の受給停止/健康保険・介護保険の資格喪失届/世帯主変更届年金事務所・役所
なるべく早く電気・ガス・水道・電話・NHK・サブスクの解約各事業者
3か月以内相続放棄・限定承認の申述(借金が多い場合)家庭裁判所
4か月以内準確定申告(故人に事業収入や不動産収入があった場合)税務署
10か月以内相続税の申告・納付税務署
3年以内相続登記(不動産の名義変更)法務局

なお、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は、年金受給権者死亡届の提出が原則不要とされています。手続きの要否はお住まいの役所や年金事務所にご確認ください。

また、相続登記は2024年4月から義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になり得ます。2024年3月以前に起きた相続も対象で、その場合は2027年3月末までが期限とされています。実家を相続された方は、片付けと合わせて頭に入れておいてください。

家族が亡くなった時、最初の24時間にやること

大切な方が亡くなった直後は、悲しみのなかで判断することがたくさん出てきます。ここでは、亡くなった時にまず行うことを、順番に整理しました。この段階では、遺品整理のことは考えなくて大丈夫です。

  • 医師による死亡の確認と「死亡診断書」の受け取り:病院で亡くなった場合は病院が手配してくれます。ご自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医や救急に連絡します。突然の場合や、かかりつけ医がいない場合は警察が関わり、「死亡診断書」ではなく「死体検案書」が作成されることがあるとされています。
  • 葬儀社への連絡:搬送先や日程は葬儀社と相談して決めます。病院からは、早めに搬送を求められることが多いようです。
  • 親族・勤め先などへの連絡:まずは近い親族から。全員に一度に連絡しようとせず、お一人ずつで構いません。
  • 死亡診断書のコピーを多めにとる:年金・保険・銀行など、あとの手続きで何度も必要になります。原本は死亡届に使うため、手元に残るようコピーをとっておくと安心です。

このあと数日は、葬儀の準備でほとんど時間がとれないのが普通です。遺品整理のことで「早くしなければ」と焦る必要はありません。

亡くなった後の流れ|1週間・1か月・四十九日・3か月の目安

先ほどの手続き一覧を「時期」で並べ替えると、次のようになります。遺品整理は、いちばん手前の山(1週間〜2週間の手続き)を越えてから、ゆっくり始めれば間に合います。

時期主にやること遺品整理との関係
亡くなった当日〜1週間死亡診断書の受け取り・葬儀・死亡届と火葬許可の申請遺品整理は手をつけない時期。貴重品だけ安全な場所へ
〜2週間年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更など届出に必要な書類(年金手帳・保険証など)を探す
〜四十九日納骨・法要の準備、相続人や相続財産の確認貴重品と重要書類の確認を先に。片付けの方針を家族で共有
〜3か月借金などがある場合の相続放棄・限定承認の判断放棄を考える場合は、遺品の処分を待つ
〜4か月・10か月準確定申告(4か月)、相続税の申告・納付(10か月)通帳・領収書など、申告に使う書類は捨てない

未支給年金(亡くなった月の分まで受け取れる年金)がある場合、生計を同じくしていたご遺族が請求できるとされています。請求できる範囲や順番は、年金事務所でご確認ください。

亡くなった後に「やってはいけないこと」|遺品整理で後悔しないために

亡くなった後の遺品整理では、次の3つだけは避けていただきたいと思います。どれも、あとから取り返しがつかなくなることがあるためです。

1.気持ちが落ち着く前に、まとめて処分する

「早く片付けないと」と、親族に急かされて一気に処分される方がいます。ところが、あとから「あの書類がない」「写真だけは残したかった」と気づくことは少なくありません。貴重品・重要書類の探し方を確認してから、仕分けに入るのがおすすめです。

2.相続放棄を考えているのに、預金の引き出しや遺品の売却をする

相続放棄を検討している場合、故人の預貯金を引き出して使ったり、遺品を売却したりすると、相続を承認したとみなされ(法定単純承認)、放棄できなくなる場合があるとされています。形見程度の品や葬儀費用の扱いなど、判断が分かれる点もありますので、片付けを始める前に弁護士や司法書士などの専門家にご確認ください。詳しくは遺品整理は誰がやる?費用は誰が払う?の記事もご覧ください。

3.賃貸住宅の退去期限を確認せずに、四十九日まで放っておく

お住まいが賃貸の場合、家賃は亡くなった後も発生します。四十九日まで待つ余裕がないこともありますので、契約書で解約予告の期間を早めに確認しましょう。詳しくは賃貸の遺品整理と退去のタイミングで解説しています。

親以外の親族が亡くなった時は?|配偶者・兄弟・叔父叔母の場合

ここまで「親が亡くなった場合」を中心にお話ししましたが、配偶者、兄弟姉妹、叔父・叔母などが亡くなった場合も、手続きの大きな流れは同じです。違いは、誰が相続人になるかと、誰が遺品整理を担うかという点です。

たとえば、お子さまのいない兄弟姉妹が亡くなった場合は、ほかの兄弟姉妹やその子ども(甥・姪)が相続人になることがあります。疎遠だった親族の場合は、相続人の確認に時間がかかることもあります。「私が片付けてよいのだろうか」と迷われたときは、誰がやるかの考え方を参考にしてください。遠方で立ち会えない場合も、立ち会いなしの遺品整理という方法があります。

なお、故人が不動産をお持ちだった場合は、片付けの後の売却や解体、税金の特例についても、相続した空き家を売却する際の税金の記事が参考になります。

遺品整理を始める前に、必ずやっておきたい3つのこと

1.貴重品と重要書類を先に探し出す

片付けを始める前に、まず家じゅうから「捨ててはいけないもの」を回収します。具体的には、預金通帳・キャッシュカード・印鑑・保険証券・年金手帳・不動産の権利証(登記識別情報)・有価証券・借用書・エンディングノート・遺言書などです。

タンスの引き出しの奥、仏壇の中、押し入れの天袋、本の間——ご高齢の方は思わぬ場所に大切なものをしまっていることがあります。ここだけは時間をかけてください。

2.相続人の間で方針を共有する

兄弟姉妹がいらっしゃる場合、一人で先に片付けてしまうと「勝手に処分された」と後々こじれる原因になります。着手前に、いつ・誰が・何を進めるのかを一言共有しておくだけで、トラブルの多くは防げます。

3.家をどうするかを、ざっくりでも決めておく

家財をすべて処分するのか、住み続ける方がいるのか、売却するのか、解体するのか。この方針によって片付けの範囲がまったく変わります。まだ決まっていなくても構いませんが、「売却の可能性がある」というだけでも業者に伝えておくと、進め方が変わります。実家の今後については不動産買取・売却のページもあわせてご覧ください。

遺品整理の進め方|5つのステップ

手続きが一段落したら、いよいよ片付けです。次の順番で進めると迷いません。

順番やること目安の期間
1貴重品・重要書類の捜索半日〜1日
2形見分けするものを選ぶ(写真・アルバム・思い出の品)1日〜
3売れるもの・供養が必要なものを仕分ける1日〜
4残りの家財を処分・搬出する1日〜3日
5清掃・引き渡し(売却や解約の準備)半日

仏壇・神棚・お人形・写真など、そのままゴミに出すことに抵抗のあるお品は、お焚き上げなどの供養という選択肢があります。詳しくは供養についてをご覧ください。逆に、貴金属・骨董品・切手・着物などは買い取りの対象になり、その分を整理費用に充てられる場合があります。

作業当日の流れをもう少し詳しく知りたい方は、ご依頼から完了までの流れのページをご参照ください。

自分でやるか、業者に頼むか

ご家族だけで進めるか、専門店に依頼するか。判断の目安を表にまとめました。

ご家族で行う専門店に依頼する
費用処分費のみ(数万円〜)間取りに応じた料金がかかる
期間数週間〜数か月かかることも一軒家で1〜3日が目安
体力の負担大きい(家具の運び出しなど)小さい
向いている方時間に余裕があり、物量が少ない方遠方にお住まい/お仕事が忙しい/物量が多い方

目安として、ワンルームであればご家族だけでも十分可能です。一方、一戸建てまるごととなると、家具・家電・布団・食器と物量が膨大になり、平日にお仕事をされている方が週末だけで終わらせるのはかなり大変です。費用の目安は料金ページに間取り別で掲載しておりますので、判断の材料にしてください。

なお、片づけDo!では遺品整理・不用品回収に加え、グループ内で解体工事専門店「解体Do!」を運営しております。片付けたあとの家屋の解体や売却まで、窓口をひとつにしてご相談いただけます。

よくあるご質問

Q. 四十九日より前に片付けてはいけませんか?

いけないということはありません。賃貸の退去期限がある場合など、事情に応じて早めに進めて差し支えありません。区切りとして四十九日を目安にされる方が多い、というだけのことです。

Q. 遠方に住んでいて立ち会えません。

立ち会いなしでのご依頼も承っております。作業前後のお写真をお送りするなど、離れていてもご安心いただける方法をご相談ください。

Q. どこまで片付けてもらえますか?

家財の仕分け・搬出・処分から、簡易清掃まで対応いたします。詳しくは遺品整理のページ、その他のご質問はよくある質問をご覧ください。

Q. 亡くなった時、まず誰に連絡すればよいですか?

病院で亡くなった場合は病院の担当者の案内に従い、葬儀社に連絡します。ご自宅の場合は、かかりつけ医または救急(119番)に連絡してください。状況によっては警察が関わることもあります。落ち着いてからで構いませんので、一つずつ進めてください。

Q. 亡くなった後、電気・ガス・水道はすぐに止めてよいですか?

すぐに解約する必要はありません。片付けや貴重品探しの間は、照明や水道が必要になることが多いためです。解約の時期は、遺品整理の見通しが立ってからにするのが安心です。ただし、冷蔵庫の中身や生ものは早めの処分をおすすめします。

Q. 手続きが多すぎて、遺品整理まで手が回りません。

その段階で、けっこうです。役所や相続の手続きは、弁護士・司法書士・行政書士・税理士などの専門家の領域で、遺品整理業者が代行できるものではありません。一方、片付けは私たちにお任せいただけます。まずは手続きを優先し、落ち着いてから、遺品整理のご相談をいただければと思います。

まとめ|迷ったら、まずは手続き。片付けは相談から

遺品整理は何から始めるか——まずは期限のある役所の手続きから。そして貴重品と重要書類を確保し、相続人の間で方針を共有してから、片付けに入る。この順番さえ守っていただければ、大きな失敗はありません。

片づけDo!は、茨城県内3拠点(取手・牛久・守谷)から県内全域へお伺いしております。対応エリアは対応エリアのページをご確認ください。

「何から手をつけたらいいか分からない」——その段階で、けっこうです。お家の状況をお聞かせいただければ、順番からご一緒に整理いたします。お見積もりは無料、その場でのご契約をお願いすることもございません。

お電話:0120-306-122(8:00〜21:00・年中無休)
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