「実家じまいをすると決めたけれど、解体や片付けにお金がかかる。何か補助金は使えないだろうか」——そう考えるご家族は少なくありません。結論から言うと、「実家じまい」そのものを対象にした一括の補助金は、茨城県内には見当たりません。ただし、①空き家の解体費用、②家財の片付け・処分費用、③実家を売ったときの税金の特例という3つの制度を組み合わせれば、市町村によっては数十万円規模の負担軽減が可能です。この記事では、取手市・守谷市・つくば市・水戸市を中心に、茨城県内で実際に確認できた制度を市町村別に整理しました(2026年8月時点の情報です。制度は年度や予算状況で変わるため、申請前に必ず各市町村の窓口へご確認ください)。
そもそも「実家じまい」に使える補助金はあるのか
「実家じまい」とは、親が亡くなった、または施設に入居したことをきっかけに、実家の片付け・不動産の処分・相続手続きなどをまとめて行うことを指します(実家じまいの全体像は実家じまいとは?費用・手順・期間をわかりやすく解説で詳しく解説しています)。この「実家じまい」という言葉自体は制度上の区分ではないため、行政の補助金・助成金も「実家じまい補助金」という名称では存在しません。
その代わり、実家じまいを構成する個別の作業——「空き家の解体」「家財の処分」「不動産の売却」——それぞれに対して、市町村ごとに支援制度が用意されている場合があります。まずは、実家がある市町村にどの制度があるかを確認することが第一歩です。
空き家の解体費用に使える補助金|茨城県内の市町村別一覧
実家じまいの費用の中でも大きな割合を占めるのが、老朽化した家屋の解体費用です。茨城県内では、老朽化・危険度の高い空き家(「特定空家等」「不良住宅」などに認定された建物)を対象に、解体費用の一部を補助する市町村があります。確認できた主な制度は以下のとおりです。
| 市町村 | 制度名 | 補助率・上限額の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 龍ケ崎市 | 老朽空家等解体費等補助金 | 対象経費の2分の1(上限50万円) | 「特定空家等」認定などが条件。工事着手前の申請が必須 |
| 神栖市 | 空き家解体支援事業補助金 | 対象経費の2分の1(危険度に応じ上限50万〜100万円) | 令和8年度は5月12日〜11月30日受付、予算上限あり |
| 日立市 | 空き家解体補助金(利活用型) | 対象経費の3分の1(上限50万円) | 解体後1年以内に跡地を売却・賃貸・公共利用することが条件 |
| つくばみらい市 | 空き家解体費補助金 | 対象経費の2分の1(特定空家等・不良住宅は上限30万円、老朽空家は上限15万円) | 予算に達し次第終了。先着順 |
いずれの制度も、「工事の契約前・着工前に申請し、交付決定を受けてから工事を始める」という順番が共通のルールです。先に解体してしまうと、たとえ対象になりうる空き家でも補助金は受け取れません。実家の解体を検討し始めた段階で、早めに市町村の窓口へ相談することが大切です。
解体そのものについては、グループ内で解体工事専門店(解体Do!)を運営しており、補助金の対象になりそうかどうかのご相談も承っています(解体について詳しくはこちら)。
取手市・守谷市・水戸市には解体の補助金がない(2026年8月時点)
片づけDo!が拠点を置く取手市を公式サイトで確認したところ、2026年8月時点で空き家解体そのものへの補助金制度はありませんでした。その代わり、取手市はクラッソーネ社と提携し、解体費用や土地売却額の概算がわかる「取手市版解体費用シミュレーター」「取手市版すまいの終活ナビ」を無料で提供しています。補助金はなくても、費用感を事前に把握する手段として活用できます。
水戸市についても、公式サイト上で解体費用そのものへの補助金は確認できませんでした(危険なブロック塀の撤去補助など、対象が異なる制度はあります)。守谷市も同様に、2026年8月時点で解体費用を直接補助する制度は確認できませんでした。この3市にお住まいで解体を検討している場合は、次に紹介する「税金の特例」や、解体業者の相見積もりで費用を抑える方法を優先的に検討するとよいでしょう。
※ここに挙げた制度の有無は2026年8月時点で市町村公式サイトを確認した内容です。新年度で制度が新設・変更される場合もあるため、最新情報は各市町村の窓口へ直接お問い合わせください。
家財の片付け・処分費用に使える補助金|つくば市の例
解体だけでなく、家財の片付け・処分費用を補助する制度もあります。代表例がつくば市の「空家活用補助金(家財処分費補助金)」です。つくば市の空き家バンクに物件を登録し、売却を行う所有者を対象に、家財処分費用の50%(上限10万円)が補助されます。ただし、家財処分に着手する前に申請し、交付決定を受ける必要がある点は解体費補助金と同様です。また、この補助金を使うには、事前に「つくば市空家バンク」への登録が条件になります。売却を迷っている段階でも、登録自体は郵送で対応できるため、早めに市の窓口に相談しておくと選択肢が広がります。
取手市・守谷市・水戸市・龍ケ崎市など、つくば市以外の市町村では、家財処分そのものを対象にした補助金は2026年8月時点で確認できませんでした。家財の片付け費用を抑えたい場合は、買取できる品物を仕分けて作業料金から差し引く方法も有効です(実家じまいの費用はいくら?平均額と内訳、安く抑える方法で詳しく解説しています)。
実家を売るときに使える税金の特例(3,000万円特別控除)
直接の「補助金」ではありませんが、実家じまいの最後に不動産を売却する場合、税負担を大きく減らせる制度があります。それが「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」です。亡くなった親が住んでいた家屋とその敷地を相続した人が、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに、その家屋(または解体後の土地)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円が控除されるという制度です。取手市・水戸市・日立市など、多くの市町村が公式サイトでこの制度を案内しています。
ただし、耐震基準を満たしていることや、売却価格が1億円以下であることなど、細かな要件があります。「〜とされています」という制度の性質上、個別の状況によって適用可否が変わるため、実際に売却を検討する際は税理士や税務署に確認することをおすすめします。
申請前に必ず確認したい5つの注意点
- 着工前の申請が絶対条件。ほぼすべての補助金制度で、契約・着工前に申請し交付決定を受ける必要があります。先に工事を進めると対象外になります。
- 予算には上限がある。年度途中でも、予算に達し次第受付終了となる制度がほとんどです。「今年度中に」と考えている場合は早めの相談が安全です。
- 市税等の滞納がないことが条件。固定資産税などに未納があると申請できない制度が一般的です。
- 所有者・相続人全員の同意が必要な場合が多い。共有名義や相続人が複数いる実家では、事前に家族間で合意しておく必要があります。
- 相続放棄を検討している場合は要注意。相続放棄をする可能性があるのに、実家の解体費用や片付け費用を相続財産の中から支払ってしまうと、「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあるとされています。故人に借金の可能性がある場合は、費用を支払う前に弁護士や司法書士へご相談ください。
補助金だけに頼らず実家じまいの費用を抑える方法
補助金が使えない市町村や、要件に当てはまらない空き家も少なくありません。その場合は、次のような方法で費用そのものを抑えることを検討しましょう。
- 片付けの際に売れる品物(貴金属・骨董品・ブランド品など)を買取に回し、作業料金から差し引く
- 解体と片付けをまとめて1社に依頼し、それぞれ別業者に頼むより手間と諸経費を減らす
- 実家を解体せず売却する、あるいは買取を利用して現金化を急ぐ(不動産の買取・売却についてもあわせてご相談いただけます)
まとめ
「実家じまい」丸ごとに使える補助金はありませんが、解体・家財処分・税金の特例をそれぞれ調べることで、負担を減らせる可能性があります。特に龍ケ崎市・神栖市・日立市・つくばみらい市は解体費用の補助制度があり、取手市・守谷市・水戸市は2026年8月時点で確認できませんでした。まずはお住まいの市町村の窓口に「うちの実家は対象になりますか」と聞いてみることから始めてみてください。制度の対象になるかどうかの判断や、解体・片付け・買取を含めた費用全体のご相談は、片づけDo!でも承っています。
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