「実家が空き家のままだけど、そのうち何とかしよう」——そう思っているうちに、税金や罰則の対象になってしまうケースが増えています。結論から言うと、空き家を放置して自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」の勧告を受けると、固定資産税が最大6倍になり、さらに改善しない場合は50万円以下の過料や、行政が強制的に解体して費用を請求する「行政代執行」に発展することもあります。この記事では、放置によって実際に起きるリスクと、今からできる対処法を、茨城県内の情報も交えて分かりやすくまとめました。

空き家を放置すると起こる6つのリスク

誰も住んでいない家は、思っている以上に早く傷みます。放置によって起こりうるリスクを整理すると、次の6つになります。

  • 建物の老朽化・倒壊:風雨にさらされ続けることで柱や屋根が傷み、地震や台風で倒壊する危険が高まります
  • 景観の悪化・資産価値の低下:庭木が伸び放題になったり外壁が剥がれたりすると、周囲の印象も悪くなり売却時の査定額にも響きます
  • 害虫・害獣の発生:ネズミやハクビシン、シロアリなどが住み着き、近隣にも被害が及ぶことがあります
  • 放火・不法侵入による治安悪化:人の出入りがない家は放火や空き巣、不法占拠の標的になりやすいと指摘されています
  • 行政からの指導・罰則:「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されると、勧告・命令・行政代執行という段階を踏んで対応を求められます
  • 固定資産税の大幅な増加:住宅用地の軽減措置が外れ、税額が最大6倍になる可能性があります

特に④の倒壊事故については、実際に空き家の塀や屋根が崩れて隣家や通行人に被害が及び、所有者が損害賠償責任を問われた例が報告されています。「誰も使っていないから関係ない」では済まされず、所有者である以上は管理責任が続きます。

固定資産税はなぜ6倍になるのか

2023年12月13日に施行された改正空家法により、これまでの「特定空き家」に加えて、そのままにすると特定空き家になりそうな「管理不全空き家」も、固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)の対象から外れるようになりました。行政から勧告を受けると、翌年から軽減措置が解除され、税額が大きく跳ね上がります。

状態固定資産税都市計画税
住宅用地の軽減措置あり(通常の空き家)評価額の1/6(200㎡以下の部分)評価額の1/3
勧告を受けた後(特定空き家・管理不全空き家)軽減措置解除=最大6倍軽減措置解除=最大3倍

行政の対応は「助言・指導」→「勧告」→「命令」→「行政代執行」の順に段階を踏みます。勧告を受けた時点で税の軽減が外れ、命令に従わないと50万円以下の過料、それでも改善しなければ自治体が解体などを代わりに行い、費用を所有者に請求する行政代執行に至ることもあります。(全日本不動産協会「月刊不動産」、ダスキン空き家管理コラム参照)

茨城県・取手市・守谷市の空き家事情

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、茨城県の空き家数は約19万6,200戸、空き家率は14.11%で全国35位です。前回調査(平成30年)からは0.73ポイント改善していますが、全国平均の13.84%をやや上回っています。同調査では、つくば市・守谷市など首都圏に近く開発が進む地域は空き家率が比較的低い一方、水戸市や県北・鹿行地域では高齢化を背景に空き家が増加傾向にあると分析されています。

取手市では「安全安心対策課」が空き家対策の相談窓口となっており、草木の繁茂はシルバー人材センター、解体・修繕は取手市建設業協会、売却・賃貸の利活用は都市計画課の「空家等利活用の媒介制度」がそれぞれ対応しています。また2024年4月には解体費用の概算が分かるシミュレーターの提供も始まりました。(取手市公式サイト)

守谷市では都市計画課が「守谷市空家バンク」を運営しており、居住用の一戸建てで大規模修繕が不要・市税滞納がないなどの条件を満たせば登録でき、県宅建協会と連携して売買・賃貸の橋渡しをしています。(守谷市公式サイト)このように、取手市・守谷市とも「まず相談窓口に連絡する」ことが最初の一歩になっています。つくば市・水戸市にお住まいの方も、各市の都市計画・住宅担当課が同様の窓口を設けています。

空き家を放置しないための3つの選択肢

「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。空き家の対処法は、大きく分けて次の3つです。

方法向いているケース注意点
売却する今後住む予定がない、管理の手間を減らしたい古家付きか更地かで売れやすさが変わる
賃貸・活用する建物の状態が良く、収益化も検討したいリフォーム費用がかかる場合がある
解体して更地にする老朽化が進み、売却・賃貸が難しい解体費用が別途かかる、固定資産税の軽減措置が外れる場合がある

どの方法を選ぶにしても、まずは家の中の遺品・不用品を片付けないと、売却も解体も前に進みません。当社では遺品整理から不動産の買取・売却、グループ内で解体工事専門店(解体Do!)を運営しており解体まで、実家の片付けから空き家の手放し方まで一括してご相談いただけます。

相続した空き家を売るなら「3,000万円特別控除」も確認を

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。この特例は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが条件で、適用期限は令和9年(2027年)12月31日まで延長されています。2024年1月以降の譲渡分からは、売却後に耐震改修や取り壊しを行った場合も対象に含まれるようになりました。ただし相続人が3人以上いる場合、控除額が1人あたり2,000万円に引き下げられるなど細かい条件があるため、詳細は税理士や国税庁の案内でご確認ください。(国土交通省)

また、相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。相続放棄前に空き家の修繕費や解体費など故人の財産に手をつけてしまうと、「単純承認」とみなされ、後から相続放棄ができなくなるおそれがあります。空き家の対応と相続放棄を同時に検討している場合は、先に専門家へご相談ください。

よくある質問

Q. 空き家は何年放置すると罰則の対象になりますか?
A. 「○年放置したら自動的に罰則」という明確な年数の決まりはありません。管理状態が悪化し、自治体の判断で「特定空き家」「管理不全空き家」に該当すると判断された時点で、勧告・命令の対象になります。放置期間よりも、管理が行き届いているかどうかが判断基準です。

Q. 固定資産税はいつから6倍になりますか?
A. 行政から勧告を受けた翌年の1月1日時点の評価から、住宅用地の軽減措置が外れます。例えば2026年中に勧告を受けた場合、2027年1月1日時点の固定資産税から増額されます。

Q. 空き家の中に遺品が残っている場合、先に何をすべきですか?
A. 売却・解体のどちらを選ぶにしても、まず室内の遺品整理が必要です。貴重品や仏壇・位牌などは供養を含めた丁寧な仕分けが必要なため、早めに流れをご確認のうえご相談いただくとスムーズです。

まとめ:迷ったら「今の状態」の相談から

空き家の放置は、固定資産税の増額だけでなく、倒壊や犯罪のリスク、思わぬ損害賠償責任にもつながります。とはいえ、いきなり売却や解体を決める必要はありません。まずは「今の実家がどんな状態か」「中に何が残っているか」を確認するところから始めれば十分です。片づけDo!では遺品整理・不用品回収から不動産の買取・売却、解体まで、実家の片付けに関わる悩みをまとめてご相談いただけます。よくある質問はこちらもあわせてご覧ください。

「何から手をつけたらいいか分からない」という段階でも構いません。お電話 0120-306-122(8:00〜21:00・年中無休)、または無料見積もりからお気軽にご相談ください。

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